© WFP/Srawan Shrestha
私たち国連WFPは紛争や自然災害の現場における「緊急食料支援」に力を注ぐ一方、
途上国や紛争地での「学校給食支援」にも、根気強く取り組んでいます。
なぜならこの持続的な支援がもたらす恩恵は、子どもたちだけにとどまらないからです。
2022年は59カ国で2,000万人の子どもたちに給食を提供しました。(2022年度データ)
学校給食で就学率が
9%増加。
学校給食は世帯年収の
10%に相当。
10万人の給食ごとに
1,377の雇用を創出。
学校給食は1米ドルの
投資で9米ドルの
経済効果を生み出します。
~世界では給食が唯一の食事の子どもたちも~
紛争や極度の貧困に苦しむ国や地域の子どもたちにとって、国連WFPが提供する学校給食は、
今日を生きる命綱。1日1回の「栄養たっぷりの食事」が、健やかな成長と未来を守ります。
ウクライナでは…▸
シエラレオネでは…▸
ウクライナでは…
砲撃された建物の写真を手にするザフリュパニさん。
ホストメリ第1学校 校長 ヴォロディミル・ザフリュパニさん「首都キーウの北西にある私たちの街ホストメリは、砲撃によってほぼ全てが破壊されました。仕事を失った親にとって、子どもを食べさせていくことは容易ではありません。国連WFPの支援には心から感謝しています」。今後もウクライナの7万人以上の子どもたちに、給食を提供する予定です。
シエラレオネでは…
娘が通学する学校で給食を調理するファトマタさん。
ファトマタさん慢性的な食料不足に加え、新型コロナウイルスの影響やウクライナ危機をきっかけにした価格高騰で、深刻な食料不安に直面しているシエラレオネの人びと。女手一つで子どもたちを育てるファトマタさんにとって、学校給食はまさに命綱です。「今夜の夕食はありません。でも娘たちには給食があります。私も学校で調理ボランティアをしていて、食事を持ち帰ることができるので幸せです」。
~学んで貧困の連鎖から抜け出す~
学校給食支援は就学率を上げる手段としても大きな成果を上げています。
「学ぶ」機会を得ることは貧困から抜け出す第一歩。教育の普及による人材育成こそが、
その国の未来を変えていきます。
ラオス人民民主共和国では…▸
ラオス人民民主共和国では…
砲撃された建物の写真を手にするザフリュパニさん。
国連WFP ラオス国事務所 ザイフォン・センダラス「私も子どものころ国連WFPの学校給食支援を受けて育ちました。国連WFPで働くことを夢見ていた私に、ある職員がこう励ましてくれました。『あなたが将来、本当にこの青いジャケットを着たいのなら、学校は絶対に中退しないでね』と」。苦労しながらも勉強を続けた彼はいま、国連WFPの職員として村のコミュニティが自分たちで学校給食を運営できるよう支援しています。「私の夢が叶ったのです」。
~地産地消型の学校給食~
国連WFPは給食に使う食材をできる限り「地産地消」で賄っています。
小規模農家や食品関連事業の支援としても実績があり、
それぞれの地域の特性を生かした好循環を生み出しています。
ブルンジでは…▸
ブルンジでは…
地元の酪農場を訪問した、ケリー社の専門家。
国連WFPパートナー企業 ケリー社 レジス・マヤンジさん国連WFPは世界的なパートナー企業であるケリー社とともにブルンジで地元の牛乳生産者と学校給食支援を結びつけるプロジェクトを運営しています。210もの小規模酪農家は、牛の飼育などに関する研修を受けることで生産量が大幅に向上。新鮮な牛乳を子どもたちに毎日安定して提供できるだけでなく、生産者の収入も増加しています。「これは目覚ましい成功です」。
ブルンジでの地産地消型の
学校給食プログラム
~親に女の子たちの通学を促す動機づけに~
世界には社会規範や慣習などで、学校へ通えない女の子が大勢います。
国連WFPは給食に加えて追加の「持ち帰り食料」を配布することで女の子の就学を後押し。
親に子どもの通学を促す強い動機になっています。
ネパールでは…▸
カンボジアでは…▸
ネパールでは…
おいしそうに給食を頬張る子どもたち。
シュリー・カカニ・ガネーシュ小学校 給食調理員 プラティバ・タマンさん小学校に隣接する新しいキッチンで給食づくりに励むプラティバさん。「昨年8月に温かい給食と手洗いのできる設備が導入されて以来、病気を訴える子どもや欠席する生徒が減りました」。山岳地帯が多く学校へのアクセスが悪いネパールでは、通学しなくなってしまう子どももいて、男女格差も依然としてあります。「子どもたちは毎日メニューが変わる給食を楽しみにしています」。
ネパールの学校給食を
日本人職員が紹介
学校を訪問する度に、子どもたちはどこへ行っても愛おしい存在だと思い知らされます。お腹が空いていては、子どもたちは効果的に学ぶことも、遊ぶことも、成長することも、そしてただ子どもらしく過ごすこともできません。また学校給食プログラムの運営を見ると、学校給食は様々な人びとの総力を結集した努力の賜物だと気づかされます。子どもたちの家族、地元の農家、学校の調理員、学校の先生、地元の自治体、教育庁、NGO、WFP、そして寛大な資金援助によってこのプログラムを支えてくださった日本の政府や皆様、本当に多くの人びとに支えられています。
カンボジアでは…
センさんは学校給食委員のメンバーも務めている。
小学校教師 センさん子ども時代、家業の手伝いで授業についていけず一度は通学を諦めたセンさん。その後、両親を説得し、努力を重ねて教師になった彼女は、給食が子どもたちを学校につなぎとめ、また親が女の子の通学を許すチカラになることを誰よりも知っています。「女の子は台所仕事をすべきだと言う人がいますが、それは違います。女の子も共に学び、将来仕事に就く道を開くことは、とても重要です」。
最終目標は?
これまでに、ポルトガルやシンガポール、ブラジルなど60カ国が、国連WFPの支援を卒業。
現在は自国で給食制度を運営しています。
人口の約2割が貧困ライン以下で生活するチュニジア。視察の初日に訪れたソドガ小学校でも、以前はお昼を抜いたり、友だちから食事を分けてもらう子どももいました。この日のメニューはクスクス、パン、サラダ、オムレツ。「給食が子どもたちの栄養状態にも、勉強にもよい影響を与え、未来につながることを感じました」と、杏さんは話しました。
視察の様子をぜひ動画でご覧ください。
こんな支援の方法も!
毎日のお買物で学校給食を支援できる「レッドカップキャンペーン」。赤いカップを目印に、賛同する企業からキャンペーンマークのついた商品が発売されています。対象商品を購入すると、その売り上げの一部が寄付されます。2011年開始以来、累計約2,600万人以上(2023年時点)の子どもたちに学校給食を届けました。
詳しくはこちら▸https://www.jawfp.org/redcup/
© WFP/Aristide Gatera
リビアから、
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キルギスから、
ありがとうが届きました!