パキスタン洪水緊急支援

(2022年11月18日更新)国連WFP、パキスタンの洪水で影響を受けたコミュニティーで救援、回復のための支援を拡大
イスラマバードーWFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、パキスタンで今年のモンスーンの被害を受けた190万人へ支援を届けるため活動を拡大しています。家や家畜、食料が失われ、インフラや農地、作物も大きな被害を受けたため、回復と強靭性を高めるための支援を最優先に活動を行っています。

© WFP/Shehzad Noorani
国連WFPはすでに、バロチスタン州とカイバル・パクトゥンクワ州、シンド州の40万人に対して食料支援を行いました。政府が全土で主導している、災害対応を支援するため、活動の拡大を続けています。パキスタンの洪水では過去最高となる3300万人が被災し、過去10年以上で最悪の被害がでています。
「パキスタンの人びとは緊急支援だけではなく、洪水によって破壊された生活を立て直すための長期的な支援を必要としています。」ラティ・パラクリシュナンパキスタン国事務所副代表は述べました。「政府の主導のもと、この災害を乗り越え、将来起こりうるショックへの回復力を高めるため、国連WFPは被災者に寄り添っていきます。気候危機の現実を前に、世界は目を覚まさなければなりません。」

63万人以上の人びとが未だ救援キャンプにおり、その8割以上はシンド州にいます。バロチスタン州やシンド州では、広範囲にわたる地域が未だ冠水しており、多くのコミュニティーが孤立し、人道支援機関が支援を届けるのが困難となっています。また、避難している家族の間では水系感染症も発生しています。
食料の配布に加え、国連WFPは、栄養不良を防ぎ、免疫を高めるため、栄養価の高い食料を3万1000人の子どもと2万8000人の妊娠、授乳中の女性に提供しています。また、人道支援のサプライチェーンの混乱が起きないよう、政府の物流能力の強化もしています。
初期の救援活動が終わった後は、国連WFPは、コミュニティーのインフラを改善し、生計機会を創出し、強靭性を高めるため、現金支給を組み合わせたかたちで、2023年初旬までの回復のための事業をすぐに実施します。


パキスタンにおいては、国連WFPは政府と緊密に連携し、コミュニティーが生計を強化し、気候ショックに耐えうる強靭性を構築するための支援をしています。干ばつや洪水の被害に遭いやすい地域での灌漑水路やダムの建設の支援、職業訓練、収入創出事業などが含まれます。こうした支援は男性と女性が生活の糧を多様化する後押しとなっています。コミュニティーの住民は、こうした活動に参加しながら食料支援を受け取り、インフラの改善や、長期的な強靭性を高め、食料安全保障を改善させることができます。
大規模な支援の拡大に、国連WFPは1億5200万米ドルを必要としています。これは国連が8月に発表した支援の要請(フラッシュ・アピール)のうち国連WFPが当初必要としていた3400万米ドルからさらに増加しています。
【見出しの写真について】
シンド州ハイルプール地区の洪水被害を受けた村、ザワル・ナザール・アリ・ジスカニに住む90 歳のレーマント・カトゥーンさんと話す現地スタッフ。
洪水で村全体が水没し、多くの家が完全に破壊され、ほとんどの家庭用品、家族の食料、子供向けの本、医薬品も破壊されました。
ほとんどの村の通りはまだ水没しており、村は幹線道路から切り離されたままであり、村から他の村や市場に通勤する唯一の方法は、人々を幹線道路に往復させる軍用ボート 1 隻だけです。
大部分の家庭では、きれいな飲料水を利用できません。数十万匹の蚊が、洪水時に溜まった水たまりで繁殖します。ほとんどの家族は蚊帳を持っていないため、夜は眠れません。
子供や妊婦を含む人々が、マラリア、脱力感、下痢、栄養失調、脱水症状などの病気にかかり始めています。©WFP/Shehzad Noorani