アフガニスタン
地震緊急支援
地震相次ぐアフガニスタン、2023年10月15日に再びM6.3の地震が襲うなか、国連WFPの支援が届けられています
15日現地時間朝、アフガニスタンを再びM6.3の地震が襲いました。この地域では2023年10月7日と11日にM6.3の地震が発生。これで1週間に7回の地震とそれに伴う余震が発生したことになります。何十もの村が被害を受け、中には完全に平らになってしまった村もあります。最初の地震から数日後に撮影された動画をご覧ください。一人でも多くの被災した人びとに食料を届けられるよう、 皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
2023年10月7日に発生したアフガニスタン地震の被災者を国連WFPが支援
【写真】アフガニスタンのジャララバードにあるメインの倉庫は73の簡易倉庫からなり、12,000トン以上を保管しています。植物油、豆類、ヨウ素添加塩、スーパーシリアル(トウモロコシ粉ときな粉にビタミンやミネラルを加えた栄養強化粉)、栄養強化ビスケット、脂質ベースの栄養補助食品(LNS)などの食料品が安全に保管され、アフガニスタン全土に配布されています。
2023.10.08
10月7日にアフガニスタン西部のヘラート州で発生したマグニチュード6.3の地震を受けて、国連世界食糧計画(国連WFP)は現地で被災者への支援活動を行っています。アフガニスタン当局は、現時点で2,000人が死亡、4,000人以上が負傷し、1,400人が避難していると推定しています。
地震発生から数時間以内に、ヘラートに拠点を置く国連WFPのチームは、Seya Aab村、Koshak村、Karnil村で被災した700世帯に栄養強化ビスケットの配布を開始しました。被災者の多くが家を失い、所有していたものをすべて失っています。
国連WFPは、最大7万人の被災者に食料または食料を購入するための現金を配給する準備を進めており、すでに2万人分の家庭用食料セットを用意しています。各セットには7人家族の1ヶ月分の食料となる栄養強化小麦粉、植物油、豆類、塩が入っています。
「今回の地震は、この2ヶ月でアフガニスタンを襲った2度目の壊滅的な地震で、既に1500万人が次の食事のあてがないという深刻な人道的ニーズがある中で発生しました」と国連WFPアフガニスタン事務所副代表のアナマリア・サルワナは話します。
アフガニスタンの人口の3分の1が食料不安にあえぐ中、国連WFPのプログラムは、紛争や災害、気候危機の影響を受けた人びとが、どこにいても必要な支援を受けられるように展開しています。
国連WFPは、アフガニスタンで最も弱い立場にある700万人が今後数カ月を生き延びるための支援を行うために、4億米ドルを緊急に必要としています。これには、アフガニスタンの厳しい冬を前に、交通手段が断絶される地域に食料を備蓄するための資金も含まれます。
国連WFPは、深刻な飢餓が記録的な水準に達している今、大幅な資金不足に陥り、命を救うための食料支援の縮小を余儀なくされています。
一人でも多くの苦しむ人びとに食料を届けられるよう、 皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
国連WFP アフガニスタンの1,000万人への食料配給を削減せざるを得ない状況に:さらなる飢餓悪化へ
【写真】国連WFPは、生計を立てる手段、子どもたちを養うための手段が限られ、アフガニスタンの社会からますます追い出されつつある女性たちにとって最後の命綱でもあります。
2023.09.05
国連WFPは今月、アフガニスタンでさらに200万人を食料支援の対象から外すことを余儀なくされ、同国で今年国連WFPの食料支援を打ち切られた人の数は1,000万人に達しました。深刻な資金不足のため、今後国連WFPが緊急食料支援を届けられる人の数は月300万人となります。
「すでに食料不足と栄養不良が憂慮すべき状況にある中、私たちは飢えに苦しむ人と餓死寸前にある人びとの間で一方を選ぶという苦渋の決断を迫られ、支援を打ち切られた何百万もの家庭は次の食事を求めて奔走しています」と国連WFPアフガニスタン国事務所のシャオ・ウェイ・リー代表は述べます。「私たちに残されたわずかな資源では、困窮の淵に立たされているすべての人に支援を提供することはできません。」
今年3月、国連WFPはすでに緊急レベルの飢餓に直面しているコミュニティへの食料配給を75%から50%に削減。4月と5月には、800万人への食料支援の打ち切りを余儀なくされました。国連WFPは、特に女性たちにとって最後の命綱であることが少なくありません。女性は、生計を立てる手段、子どもたちを養うための手段が限られ、アフガニスタンの社会からますます追い出されつつあります。
今回の配給削減は、140万人の妊産婦とその子どもたちが、栄養不良を予防するための栄養強化食品を受け取れなくなることを意味します。国連WFPは、子どもたちがより深刻な飢餓状態に陥るにつれ、栄養センターに入院する子どもの数が今後数カ月で急増すると予想しています。
今後6カ月の間、国連WFPは2,100万人に対して命を救うための食料、栄養、生活支援を提供するために10億米ドルを必要としています。これには、アフガニスタンの厳しい冬の間、交通手段が断絶してしまうコミュニティのために、食料を事前に備蓄するための資金も含まれます。
「アフガニスタンの大惨事を回避するためのわずかな機会は残されていますが、私たちには時間がありません」とリー代表は述べます。「今私たちが行動を起こさなければ、40年にわたる紛争、破綻した経済、悪化を続ける気候変動の影響を受ける、最も弱い立場にある女性や子どもたちがその代償を支払うことになります。」
この発表は、世界の指導者たちが集まり、飢餓を含む開発に関する世界的な主要課題について議論が交わされる、ニューヨークで今月開催される第78回国連総会に先立つものです。世界的にニーズが急増するなか、国連WFPは各国政府に対し、人道支援活動への資金拠出を優先するよう求めています。
国連WFPは、深刻な飢餓が記録的な水準に達している今、大幅な資金不足に陥り、命を救うための食料支援の縮小を余儀なくされています。国連WFPが支援を行っている国のほぼ半数が、食料、現金、栄養支援プログラムの規模と配給量を既に削減しているか、近く削減する予定です。
一人でも多くの人びとに食料を届けられるよう、 皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
国連WFPから最後の食料配給を受けるジャララバードの家族
【写真】国連WFPが資金不足のため、今月援助を打ち切らざるを得なかった200万人のうちの一人。
WFPの支援を受けるハズラ(11歳)
【写真】ジャララバードの学校で、国連WFPの高カロリービスケットを食べるハズラ(11歳)。将来の夢は医師になることです。
「ときどき朝ごはんにお茶とパンを食べることもあります。ほとんどの日は何も食べないで登校します」
アフガニスタン東部のジャララバードに住む11歳のハズラは、毎日のように空腹のまま授業を受けています。 小学6年生の彼女は、同級生と同じ白のスカーフと黒の長いローブに身を包んでいます。「お腹が空いています」とハズラは続けます。「何も食べないと先生の話に集中できません。」この女子校では、全校生徒約1000人に先生が国連WFPの高カロリービスケットを配っています。100グラムのビスケットには450キロカロリーのエネルギーと、脂質、タンパク質、そして成長期に欠かせないビタミンやミネラルが含まれています。「ビスケットはおいしいです。食べると幸せな気分になります。元気が出て、授業にも積極的に参加できるようになりました。」
ビスケットの配布は、国連WFPがアフガニスタン全土で90万人以上の子どもたちを支援している学校給食プログラムの一部です。その他の国連WFPの幅広い食料・栄養支援とともに、特に厳しい冬の間に急増している飢餓から人びとを救っています。国連WFPアフガニスタン国事務所のシャオ・ウェイ・リー代表は「学校給食は、国連WFPがアフガニスタンで行う支援の中でも重要な活動です。絶望と飢餓からこの国の人びとを守る最後の砦となっています」と述べています。アフガニスタンの少女や女性が教育や就労を制限され、飢餓の危機に瀕する今日、ハズラのような子どもへの支援がこれまで以上に重要となっています。実際に、国連WFPが学校給食で支援する子どもたちの約半数は女児です。
「お腹をすかせた子どもは十分に学ぶことができません。」国連WFPアフガニスタン国事務所の栄養部門長モナ・シャイフは言います。アフガニスタンでは、何百万もの子どもたちが消耗症や慢性的な栄養不良に苦しんでいます。「学校給食によって親が子どもを学校に通わせるようになるので、特に少女が教育を受けるための生命線になります。」国連WFPの学校給食の恩恵は目に見える形で現れています。ある村の女子校では、2019年に国連WFPが家庭に持ち帰れる食料配給を行ったことで、出席率が倍増し、生徒は1,000人以上になりました。
「アフガニスタンのような脆弱な国では、学校給食は人道的支援であると同時に、より平和な未来への希望でもあります」と国連WFPアフガニスタン国事務所のリー代表は述べています。「少女や女性、そしてコミュニティや国が前進するための手助けになるのです。」
アフガニスタンにおける国連WFPの学校給食プログラムは、欧州委員会の国際パートナーシップ総局、フランス政府、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)、韓国からの拠出金により支援されています。
WFPの支援を受けるライリさん
「子どもを働かせず、学校へ行かせたことを間違っていると、夫は私を責めました。夫は目が悪く働くことができません。誰も助けてくれませんでした」
ライリさんは、アフガニスタン西部で、国連WFPから職業訓練と現金支給支援を受けています。 「機械(ミシン)に詳しくありませんでしたが、センターで学ぶことができてとても幸せです。今、裁縫で自分の名前を書けるようになりました。私が頑張れば、子供たちの将来を明るいものにできます。だれにも頼らなくてよくなります。将来、アフガニスタンが平和な国になって、自分たちの力で生活できるようになれることを願っています」とライリさんは言います。
アフガニスタンでは5人に2人、数百万人がライリさんのようにWFPからの支援を受けています。
深刻化するアフガニスタンの危機
タリバンがアフガニスタンの政権を掌握してから、信じられないような規模の人道的危機が、さらに複雑で深刻になっています。失業、現金の不足、物価の高騰により、アフガニスタンでは新たな飢餓層が生まれています。人口の約4割にあたる約1,600万人が十分な食料を摂取していません。 国は経済崩壊の危機に瀕しており、現地通貨は史上最安値を記録し、食料価格は上昇しています。 【写真】カブールの倉庫で食料を運ぶ人々。日本の皆様からの支援も含まれています。
急性栄養不良は34州のうち25州で緊急事態の基準値を超えており、今後12カ月間で5歳未満の子どもの約半数、妊娠中・授乳中の女性の4分の1が命を救うための栄養支援を必要とするなど、悪化が予想されています。
冬が近づくにつれ、食料を国内に運び込み、戦略的な場所に事前に配置することが、今、国連WFPにとって最も緊急の課題となっています。雪が積もれば、道路は寸断され、コミュニティは孤立してしまいます。最も食料が足りなくなる「リーン・シーズン」とよばれる季節には、国連WFPの食料支援が多くのアフガニスタンの家族にとって唯一の命綱となります。
私たちは、人道的な大惨事を回避するために行動を起こす必要があります。国連WFPは、アフガニスタンで困っている人びとを支援するために、約10億ドルを緊急に必要としています。