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ウクライナ

冬の寒さと戦争がウクライナを襲う中、最前線に暮らす家族が生きる糧を見つける

2024.01.30

ウクライナ

絶え間ない砲撃の下で暮らすコミュニティは、厳しい季節を乗り切るために国連WFPの食料支援を必要としています。

ウクライナ南東部ザポリージャ地方のヴェセリアンカ村の寒く陰鬱なある日、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)が毎月食料支援を行っている配給所に、数十人の村人が集まっています。ポケットに手を入れて暖をとりながら村人たちがおしゃべりをする中、風のない張り詰めた冷気を切り裂くように遠くから砲弾の着弾音が響いてきます。

少し前まで、ヴェセリアンカ村には1,000人近くが住んでおり、その多くはこの地域の豊かな黒土でヒマワリや小麦、ナタネを収穫していました。しかし、2022年3月に戦闘が郊外にまで及び、戦禍がますます拡大すると、住民の半数近くが難を逃れこの地から立ち退きました。

「私たちの土地は耕作の準備ができていましたが、もはやここにはとどまることができませんでした。家が風や寒さから全くもって無防備だったのです」

ウクライナでは、多くの人が激しい戦闘地域の近くに住み続けています。夫とヴェセリアンカ村に住むアラさんは言います。「家に勝る場所はありませんから」

彼らは自分の土地や家に愛着を持ち、あるいは長期にわたる移住生活の恐れから、信じられないような危険にもかかわらず、村にとどまり続けています。また、移住中に生活の糧を得るための選択肢がなくなり、農場やかつての職場に戻ることを余儀なくされる人もいます。

EUやその他の支援者からのサポートを受けて、国連WFPはウクライナ全土のこのような家庭やその他の人びとへの支援を強化し、この冬は毎月240万人に食料や現金の支援を行う予定です。しかし、国連WFPのウクライナでの活動資金は必要額のわずか54%にすぎず、今後6か月間に1億8,000万米ドルの追加資金が必要です。

食料配給は、30日分の各種主食を混ぜた配給ボックスか、焼きたてパンと缶詰の配給ボックスのどちらかで、ヴェセリアンカ村のような前線に近い地域に集中的に配給されます。この1月だけで50万人以上がこのような配給を受けました。

この支援は切実に必要とされています。ウクライナでは、戦争によって生産とサプライチェーンが寸断され続け、東部や南部の多くの地域で食料へのアクセスが不安定になっています。ウクライナ人の約5人に1人が食料不安に陥っており、最前線に近い人びとは特に悲惨な状況に直面しています。「3~4日間電気が使えず、砲撃音が絶え間なく聞こえていたこともありました。子どもや孫のことしか考えられませんでした」と、アラさんは言います。「ウクライナでの人びとの生活は悪化し続けています。戦争は衰えることなく続いており、民間人居住区への攻撃はここ数週間で激しさを増しています。インフラへの被害は続き、民間人の死傷者はますます増えています」と話すのは、マリアンヌ・ウォード国連WFPウクライナ事務所臨時代表です。「最前線の近くに暮らす人びとは最悪の事態に直面しており、彼らは生計を立てるために人道機関の継続的な支援を頼りにしています」と、ウォード臨時代表は付け加えます。

最前線に暮らす家族

戦争が始まって間もない頃、アラさんと彼女の夫はここにとどまるつもりでしたが、やがてヴェセリアンカ村からの退避を考えるようになりました。彼らの決断を早めたのは、ミサイルが庭に着弾し、実家の窓と屋根が破壊され、家を追われたときでした。

「私たちは絶望の淵にいました」彼女は涙を浮かべながら語ります。「私たちの土地は耕作が可能な状態でしたが、もうここにいることができませんでした。家が風や寒さから全くもって無防備だったのです」二人はしばらくの間、娘の家に滞在しましたが、数週間の滞在の後、自宅に戻ってしまいました。「あまり長く離れていることに耐えられなかったのです」とアラさんは言います

紛争が3年目を迎えようとしている今、アラさんとその隣人たちにとって、爆撃音は背景音のひとつになっています。彼らは最前線での生活に適応し、仮設のシェルターに水、軽食、暖かい衣類などを備蓄しています。

昨年の冬は特に厳しく、氷点下の気温、度重なる停電、暖房費の高騰などが人びとを苦しめました。近くの店のほとんどは棚が空でした。それでもヴェセリアンカの人びとは最善を尽くして備え、耐えました。 「3、4日間、電気がなかった時もありました」とアラさんは振り返ります。「砲撃は絶えず聞こえました。私は自分の子どもや孫のことしか考えていませんでした。毎日電話して娘たちの安全を確認しました」

再び厳しい冬
戦争が始まって3度目の冬を迎え、物価が上昇し続ける中、アラさんのような家族は食料費、暖房費、家の修繕費用を賄うのに苦労しています。国連WFPなどの人道支援は、そのギャップを埋めるのに役立っています。

「物価は常に上昇しています。私たちの唯一の収入は2つの年金だけです。これでどうして、すべてを賄う余裕があるのでしょうか?」とアラさんは言います。

缶詰の豆や肉、パスタ、小麦粉、ひまわり油、そば粉、砂糖、塩などの主食からなる国連WFPの配給ボックスは、彼女をはじめ、最前線で暮らす多くの人びとにとって、特に一人暮らしの高齢者にとっては救いの手となっています。「缶詰の肉とシリアル、これが私たちのベースです」とアラさんは言います。「少なくとも、私たちは食べ物の心配をする必要はないのです」

朝、彼女は国連WFPから支給された小麦粉を使って、ムリンツィと呼ばれる伝統的なパンケーキを焼きます。「夜になると、私たちはお茶を飲みながら将来の計画を話し合います。何があっても計画は必要ですからね」とアラさんは微笑みながら言います。欧州連合やその他のパートナーのおかげで、国連WFPは最も弱い立場にあるウクライナの人びとに対して、命を救うための食料や現金支援を提供し続けるとともに、共通の物流や電気通信サービスを活用し、人道的対応を支援しています。


国連WFPはウクライナ政府と連携してあたたかい学校給食を提供しています。

2023.08.01

ウクライナ


黒海イニシアティブの打ち切りがもたらすウクライナの農業への影響

2023.07.19
国連WFPは、2022年7月の調印後、ウクライナからの食料輸出を促し、世界の食料市場を安定させる役割を担ってきた黒海イニシアティブの打ち切り、というロシアの決定を大変遺憾に思っています。

ウクライナがトウモロコシと小麦を世界市場に供給しているという重要な役割をふまえると、 同イニシアティブの停止は、世界市場における穀物価格と、一般的な食料価格に上昇圧力をもたらす可能性があります。 2022年においては、国連WFPの小麦穀物調達量の半分以上を、ウクライナの小麦穀物が占めていました。2023年現在、国連WFPは小麦の80%をウクライナから調達しています。

また、同イニシアティブの停止はウクライナ国内の農業にも影響を及ぼし、最終的には国内外市場向けの食料生産を減少させることにもなるのです。

カホフカダム崩壊、洪水被災者への支援

ウクライナでは激しい戦闘が続いています。
国全体が厳戒態勢にある中、カホフカダムが崩壊し、深刻な被害を受け、ヘルソン州の46の町や村、さらにミコライフ州の31の町や村が浸水しました。

6/6、カホフカダム決壊と同日、国連WFPは直ちに洪水被災者へ食料支援を開始し、6/15までに148,000食の食料を洪水被災者に支援しました。

【開戦1年、ウクライナの親子は今】

ウクライナ
ウクライナとロシアの開戦から、2月で1年が過ぎました。
国内外への避難を強いられるなど、苦しい生活を続けるウクライナの人びとは、容赦のない冬の寒さにもさらされています。
燃料価格の高騰もあり、子どもを抱えた母親たちは「食べ物か暖房か」の二者択一を迫られようとしています。


ウクライナ

【母親たちの苦しみ】

「実際に爆撃が始まるまで、本当に起きるとは信じられませんでした」北部のチェルニヒウに住む27歳のアリーナは開戦翌日の午前4時、夫から「今日は娘たちを幼稚園に連れて行っちゃいけない。爆撃が始まるんだ」と告げられました。
実際に間もなく爆撃が始まり、夫婦は5歳と1歳8カ月の娘を連れて、地下に逃れました。
自宅の窓や壁が破壊され、親戚に借金して何とか修理しました。
「窓ガラスがないと、冬には子どもたちは凍えてしまいます」と、アリーナは訴えます。


ウクライナ
一家は国連WFPから現金支援を受け、果物や肉、卵、ヨーグルトなど必要な食材を購入しています。

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アリーナは「子どもたちには、成長するための食事も寒さをしのぐ服も必要。親のものはなるべく買わず、子どもたちに回しています」と話しました。

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【インフラ被害で凍えるリスクも】

ウクライナでは1800万人が人道支援を必要としており、650万人が国内での避難生活を強いられています(2022年12月時点)。
自宅の窓や壁が破壊され、親戚に借金して何とか修理しました。「窓ガラスがないと、冬には子どもたちは凍えてしまいます」と、アリーナは訴えます。


避難などによって多くの人が職を失い、3世帯に1世帯が日々の食事を十分に摂ることができずにいます。一部地域は激しい爆撃や戦闘によって、発電所や水道、ガスなどのインフラ設備に深刻な被害を受けました。


さらに、暖房に使う燃料価格も上昇しています。
国内の食料価格も、1年間で22%上昇しました。さらに東部・南部では、戦闘のためサプライチェーンが混乱し、必要な食料が住民に届きづらくなっています。
国連WFPが東部で調査したところ、回答者の4割が食事の量を減らしたり、大人の食事を子どもに回したりしています。

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【人びとに温かい食べ物と栄養を】

国連WFPは、ウクライナで毎月約280万人に食料の配布、または現金支給を通じた支援を実施しています。
現金を通じた支援には、人びとが自ら購入した食材を調理し、温かい料理を食べられるメリットがあり、昨年3月以降の支援総額は4億米ドルに上ります(2022年12月時点)。
現金支援に当たっては、ブロックチェーン技術を活用して18の人道支援団体と連携し、重複を避けて可能な限り多くの人びとに、まんべんなく支援を届ける仕組みも設けています。


ウクライナでは避難先から地元へ戻る人びとも増えていますが、帰還者の多くは自宅を破壊されるなど、生活再建の難しさに直面しています。
国連WFPの支援は、避難民や戦闘地域に暮らす人、帰還者を含めたすべての人びとが、栄養価の高い温かい食事を摂り、健康な体を保つために行われているのです。
ウクライナ

これまでの支援情報

ウクライナ 2022年2月の支援状況

2023/1/16
•12月は300万人以上の人々に食料と現金の支援を実施。
•12月中旬、ウクライナでは新たな激しい空爆が始まった。これまで散発的に攻撃を受けていた首都が継続的に標的となり、重要なインフラや住宅に被害が及んでいる。12月14日、16日、19日、29日、31日に行われた組織的な空爆は国全体に及び、民間人に犠牲者を出し、暖房、電気、飲料水などの多くの重要サービスが麻痺し、日中の最高気温は常に0度前後となっている。
•2022年3月以降のウクライナ国内での現金輸送の総額は4億2,000万米ドル
•国内避難民の数 590万人
•欧州全域で記録されたウクライナ人難民の数 780万人
•ウクライナの人口 3800万人

2022/11/06
11月1日から6日まで、国連WFPは約73,000人を支援しています。
10月、国連WFPは約270万人を支援しました。

2022/10/04
黒海イニシアティブ調印以来、国連WFPはウクライナから20万トン以上の小麦粉を調達しました。
9月、国連WFPは約280万人を支援しました。

2022/09/01
国連WFPは約276万人に支援を行いました。

2022/08/22
最初の国連WFPの輸送船が、23,000トンの小麦粉を積んでウクライナを出航しました。

2022/08/08
国連WFPは、食料および肥料輸出のため黒海の港を開く合意書が調印されたことを歓迎するとともに、世界的な食料危機に対処し、ウクライナ経済を支援するため、(合意内容の)迅速かつ持続可能な履行を求めます。

2022/08/01
7月、国連WFPは290万人を支援しました。

2022/07/19
国連WFPは4月以来、合計で1億4000米ドル相当の現金および食料引換券を、戦争の影響を受けている家族に提供しました。また、7月、国連WFPは290万人を支援しました。また、6月、国連WFPは約270万人を支援しました。

2022/06/16
5月、国連WFPは弱い立場のウクライナ人約220万人を支援しました。
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栄養強化ペーストを届けられます。

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緊急支援とは

緊急事態とは、「ある特定の、もしくは一連の事象が、人的被害や生命・暮らしへの脅威をもたらしているという証拠が明白に示され、広範囲な地域で生活が混乱し、かつ関係政府が対応手段を持たない状況」であるとされています。

国連WFPは、紛争中や終結直後、もしくは災害などの状況で、50年以上にわたり数えきれないほど多くの緊急食料支援を実施してきました。

国連WFPは人災か自然災害か、事態を避けられたかそうでないかを問わず、壊滅的な事象によって避難生活を強いられたり、家を失ったり、生計手段を奪われたりした何百万人もの人々を支援しています。何十年もの経験によって、緊急事態に対処するための他に例のない知見を積み上げてきました。これらの知見は、国連WFP の行動指針に基づいた支援計画の立案、そして緊急支援への備えと対応の仕組みの両方に活かされています。

©WFP/Silke Buhr

皆さまのご寄付で確かに届けています

国連WFPは、命の危機にさらされた人びとに、
次のような方法で支援を行います。

食料支援

小麦、豆、食用油などの現物を支援する方法に加えて、食料の支払いに使える食料引換券や電子マネーを配布する方法でも支援しています。

食料をラバに載せ運ぶ写真

栄養支援

栄養不良に陥っている6か月から5歳未満の乳幼児と、妊産婦に対し、特別に栄養を強化した食品を提供し、栄養の改善に努めています。

栄養強化ビスケットを頬張る子供の写真

輸送支援

食料支援のために構築された国連随一のロジスティクスを活かして他の国連機関や人道支援団体等に対しても航空・船舶・地上物流サービスを提供しています。

ヘリで物資輸送を行っている写真

所得税一部
還付されます

国連WFPへのご寄付は、国連WFP協会(認定NPO法人)が窓口です。
確定申告を行っていただくことにより、寄付金控除の対象となります。
(お住まいの地域により、住民税の還付を受けることもできます。)

領収書の発行につきまして

「毎月の寄付」をいただく場合は、1年分(1月〜12月分)をまとめて翌年1月下旬より順次発送致します。

「今回のみ寄付」をいただく場合は、クレジットカード、コンビニ決済からの場合、不要のお申し出がない限り発行いたします。

その他のお支払い方法につきましてはお問い合わせください。

よくあるご質問

Q寄付はどのように使われるのですか?
国連WFPが実施する緊急支援、学校給食支援、母子栄養支援などの支援活動を通じ、 世界中の飢えに苦しむ人々のもとへ食料支援として届けられます。
Q領収書は発行されますか?
「今回の寄付」は、クレジットカード、コンビニ決済からの場合、不要のお申し出がない限り発行いたします。
その他のお支払い方法につきましてはお問い合わせください。
「毎月の寄付(WFPマンスリー募金)」の場合は、1年分(1月~12月分)をまとめて翌年1月中旬ごろより順次発送いたします。
Q寄付の使途を指定できますか?
できます。
緊急支援・学校給食支援・母子栄養支援・使途指定なしの中からお選びいただけます。
なお「使途指定なし」のご寄付は、国連WFPが最も資金を必要とする支援活動に活用させていただきます。特にご指定がない場合には「使途指定なし」をお選び下さい。

国連WFPとは

WFP

国連WFPは、「飢餓をゼロに」することを使命とする国連唯一の食料支援機関です。
災害や紛争時の緊急支援、栄養状態の改善、学校給食の提供などを活動の柱に、2021年も過去最多の1億3800万人の支援を目指します。

2022年7月から国連WFPでは、杏さんに国連WFPの親善大使に就任いただき、飢餓問題や世界が抱える問題を多くの方に発信しています。
公益社団法人ACジャパンによる2022年度公共広告支援キャンペーン「最初の一粒」の広告のナレーションもご担当いただきました。

国連WFPとは、国連機関であるWFP国連世界食糧計画と、それを支援する認定NPO法人である国連WFP協会という二団体の総称です。
国連WFPへのご寄付は、国連WFP協会(認定NPO法人)が窓口です。国連WFP協会へのご寄付は税制上の優遇措置が受けられます。

外部監査について

国連WFP協会は、法人の監事が内部監査を行うとともに、監査法人に依頼して外部監査を受けています。
事業報告書や財務諸表および財産目録は、所轄庁である横浜市に提出され、またウェブサイトにも掲載されています。

監査報告書